2026年10月に続いた脆弱性と、WordPressの更新では直らない理由
2026年10月16日からの8日間に、Studio、Java、PHP、Node.js、Rubyの5つの基盤で緊急の対応が必要になりました。10月21日に修正版が公開されたPHPの脆弱性2件(深刻度9.2)は、WordPress本体やプラグインの更新では直りません。サーバーに入っているPHPの更新が必要で、PHPのバージョンアップを制作会社に頼むと、多くは1サイト3.3万円〜(税込)です。
10月の後半に、不正アクセスと深刻な脆弱性の公表が続きました
サイト制作ツールへの不正アクセス、言語やランタイムの深刻な脆弱性が、10月の後半に続けて公表されました。一つひとつは対応できても、続くと確認と更新に追われ、本来の仕事に手が回らなくなります。
対応には費用もかかります。制作会社に頼めばそのたびにスポット費がかかり、社内で行えば担当者の時間が取られます。
- 10月16日:Studioが不正アクセスを公表
- 10月20日:Java SEで定例の修正55件を公開
- 10月21日:Javaの緊急アラート(CVSS 9.1)を定例の翌日に公開
- 10月21日:PHPで深刻度9.2の脆弱性2件の修正版を公開
- 10月21日:Node.jsが3系統で10件の修正を公開
- 10月23日:Rubyが正規表現エンジンの修正4件を公開
出典は本文の1〜7です。
Studio(10月16日)
Studioが不正アクセスを公表しました。登録している全ユーザーのアカウント情報、サイトのフォーム送信内容、外部連携のAPIキーなどが流出した可能性があると発表されています。暗号化して保存していたデータも、復号の鍵が同時に読み出されたため内容を知られた可能性がある、と説明されています1。フォームを使っていた会社が確かめることは、Studioの不正アクセスの解説にまとめました。
Java(10月20日・21日)
10月20日の定例の一括修正で、Java SEだけで55件の修正が公開されました2。翌21日には、証明書の検証に関わる脆弱性(CVSS 9.1)の緊急アラートが出ました3。
PHP(10月21日)
深刻度9.2の脆弱性2件の修正版が公開されました4。WordPressの更新では直らず、レンタルサーバー各社が緊急メンテナンスを行いました5。詳しくは次の節で説明します。
Node.js(10月21日)
3系統で10件の修正が公開されました。圧縮データの処理でリモートからコードを実行されるおそれのある問題を含みます6。
Ruby(10月23日)
正規表現エンジンの修正が4件公開されました。利用者の入力から正規表現を組み立てるアプリが対象です。報告元のGitLabでは、自社製品への影響を最大10.0(CVSS v3.1)と評価しています。この値はGitLab自身への影響を示すもので、Ruby側は評価値を公表していません7。
PHPの脆弱性は、条件がそろうとログインなしでコードを実行されるおそれがあります
PHPで見つかった脆弱性2件の深刻度は、CVSS v4.0で10点中の9.2です。条件がそろうと、ログインなしで外部からサーバー上のコードを実行されるおそれがあります。修正版は2026年10月21日に公開されました4。
WordPressの更新で直らないのは、直す対象がサーバーのPHPだからです
WordPress本体やプラグインの更新では解決しません。直すには、サーバーに入っているPHPを更新する必要があります4。管理画面のボタン一つで済む更新とは違い、サーバーの言語そのものを入れ替え、そのあとサイトが動くかを確かめる作業で、手間と費用がかかります。
誰が更新するかは、サーバーの種類で変わります。
レンタルサーバー
サーバー会社が更新し、御社は待つしかない
自社サーバー・VPS
御社の作業になる
PHPのバージョンアップを制作会社に頼むと、多くは1サイト3.3万円〜(税込)で、他社が作ったサイトは12.1万円〜という料金表もあります8。保守の月額との関係はWordPressの保守費の解説で説明しています。PHPのサポート期限についてはPHP 8.2のサポート終了の解説もご覧ください。
サーバー会社の予防措置で、一時停止したサイトもあります
10月21日夜から22日にかけて、国内の主要なレンタルサーバー各社が緊急メンテナンスを行い、一部では予防措置として顧客サイトを一時停止しました5。各社の対応は、各社の公式告知をご確認ください。
PHPの脆弱性の報告は増えています
PHPの開発を支える団体によると、AIを使った調査で報告が増え、2026年7月以降に15件の脆弱性が公開されました。今後も更新が必要になる場面は減らない見込みです9。
公開サーバーでプログラムを動かさない構成なら、この種の対応は要りません
公開サーバーでプログラムを動かさない構成なら、脆弱性のニュースが出るたびに、更新を控えたりサイトを止めたりする必要はありません。その方法の一つが静的化で、仕組みは静的化の解説で説明しています。
静的化で、すべての攻撃を防げるわけではありません。今回のような言語やランタイムの脆弱性と、フォームの保管先への侵入に強い構成にするものです。フォームの保管については問い合わせフォームの暗号化の解説をご覧ください。
関連する解説
御社のサイトが移せるかは、無料のURL診断で確かめられます。
出典
2026年10月23日時点の情報です(8番は2026年11月2日に確認)。
- Studio「【重要】不正アクセスによる情報流出に関するお詫びとお願い(第一報)」(2026年10月16日): https://studio.design/ja/whats-new/unauthorized-access-2026-10
- Oracle「Critical Patch Update Advisory - October 2026」(2026年10月20日)。Java SEの修正件数は同アドバイザリの記載: https://www.oracle.com/security-alerts/cpuoct2026.html
- Oracle「Security Alert Advisory - CVE-2026-91403」(2026年10月21日): https://www.oracle.com/security-alerts/alert-cve-2026-91403.html
- PHP公式のリリース告知(2026年10月21日、8.5.12/8.4.27/8.3.36/8.2.35)および GitHub Security Advisory(GHSA-w8hw-w9fx-j79w、GHSA-6wmf-4rv5-p3rp)。CVE-2026-109618、CVE-2026-109619: https://www.php.net/archive/2026.php
- 国内レンタルサーバー各社の告知のまとめ(Webセキュリティ診断センター、2026年10月22日更新)。各社の対応は各社の公式告知をご確認ください: https://websec-center.com/blog/rental-server-php2shell-taiou/
- Node.js「October 2026 Security Releases」(2026年10月21日、v26.12.1/v24.22.1/v22.23.4): https://nodejs.org/en/blog/vulnerability/october-2026-security-releases
- Ruby「Regexp compilation fixes related to GitLab's CVEs」(2026年10月23日、4.0.9/3.4.12/3.3.13)。深刻度はGitLabのパッチリリース告知 19.5.1(2026年10月21日、CVE-2026-110264、CVSS 10.0)の評価で、GitLab 自身への影響を示す値。Ruby側は評価値を公表していない: https://www.ruby-lang.org/en/news/2026/10/23/regexp-fixes-for-gitlab-cves/、https://docs.gitlab.com/releases/patches/patch-release-gitlab-19-5-1-released/
- 合同会社キューブリック「PHPバージョンアップの費用相場」(制作会社などの公開料金のまとめ。2026年10月23日公開、10月30日更新、2026年11月2日確認)。業者で8,800円〜12.1万円、制作会社の多くは3.3万円〜(税込): https://cubrick.co.jp/tech_blog/php-update-cost/
- The PHP Foundation「Today's PHP security release and how we're strengthening PHP security」(2026年10月21日): https://thephp.foundation/blog/2026/10/21/todays-php-security-release-and-how-were-strengthening-php-security/
サービス概要の 1 枚とサービス資料をダウンロードできます。
無料のURL診断は、メールアドレスとサイトの URL だけで申し込めます。結果はメールでお送りします。お電話での営業はいたしません。